ウェブサイトを作る前にやるべきこと -「何を」届けるかを設定しよう
SPIQA DESIGN
2023.05.31
こんにちは!採用特化型Web制作チームの長嶋です!
ここ数回は採用サイトのレビューをおこなっていたので、ここらで再び「採用活動」の視点からウェブ制作の話をさせていただきたいと思います!今回から「採用」目線での内容が強まります。是非自社の活動や依頼されている制作に当てはめて、採用サイト作成のヒントにしてください。
こちらの記事を読む前に、下の記事も読んでいただけるとより話が理解できますので是非どうぞ!
目次
「何を」届けるかの前に考えること
前回の記事で「ウェブサイトはコミュニケーションツール」という話をしました。
では採用活動におけるコミュニケーションとはなんでしょう?
それは「ユーザーに企業を理解する情報を与える」ことです。
ここで注意しなければならないのは、「闇雲に情報を与えても人の心は動かない」ということです。求職者の行動にはいくつかのフェーズに分かれており、その時々で「知りたい」と感じている情報が違います。適切なタイミングで、適切な情報を理解してもらうことで、人は行動をおこします。この「適時・適当」なコミュニケーションのストーリーを考えておくことが非常に重要です。
会話形式でイメージすると、分かりやすいかもしれません。
- フェーズ①【認知・興味喚起】
求職者「就職・転職をしたいけど、良い企業ないかな」 ➔ 企業「はじめまして!弊社も人材を探しています!」 - フェーズ②【企業・事業理解・魅了】
求職者「どんな会社で、どんな仕事があるんですか?」 ➔ 企業「○○をやっている会社で、××をする仕事があります!」 - フェーズ③【不安払拭】
求職者「良いですね!でも、△△が不安です。」 ➔ 企業「弊社では、◇◇のような取り組みでサポートをしているので大丈夫ですよ!」 - フェーズ④【応募行動】
求職者「なるほど、では是非お話させていただきたいです!」 ➔ 企業「〇月✕日の△時に話しましょう!」
かなりざっくりではありますが、基本的なコミュニケーションの流れはこのようになります。これらのフェーズに分解して、「どのフェーズでどんな情報を渡せば、求職者の心が動くのか」を考えると、「何を」届けるかの大きなヒントになります。
採用サイトの役割を考える
「適時・適当」な情報を伝える上で、さらに必要となるのは「どこで」です。
現在では大きく分けると以下の2つになります。
- オフライン
紹介、就活イベント、会社説明会、インターンシップ、面談…など - オンライン
採用媒体、採用広告、企業サイト、サービスサイト、採用サイト…など
ここでポイントになるのは、「どのシチュエーションにおいても採用サイトが情報源として活用できる」点です。
例えば、ユーザーが就活イベントや採用媒体で「企業を認知」して「その企業で働くことへの興味」があれば、まずは「企業サイト」へ、用意があれば「採用サイト」へほぼ確実にアクセスします。
採用フェーズが進み、会社説明会や面談など、実際に企業と会うことになったとしても、「採用サイト」での情報は、事前の調査などにほぼ確実に利用されます。
このように、採用サイトの役割は採用活動のどのフェーズにおいても密接に関わることが分かります。
採用サイトとその他サイト(企業サイト・サービスサイト)の違い
企業サイト・サービスサイトと採用サイトでは情報の内容が異なります。
- 企業サイト・サービスサイト=取引・サービスに対するメリットの訴求
- 採用サイト=入社に対するメリット訴求
採用サイトはより求職者に向けたコンテンツを用意して、会社内部の精度や自社・社員のストーリーを多く掲載することで、訴求をおこないます。
もちろん、求職者の情報源として企業サイト・サービスサイトも閲覧されているので、どちらも日々更新・リニューアルを行うことが大切です。
ユーザーに「何を」(コンテンツ)届けるかを設定しよう
ここでは以下のような「ユーザーの気持ち」に焦点を当てながら、自社の訴求点を検討していきます。
- 興味
- 魅了
- 不安の解消
最初に設定した「設定したペルソナに刺さるメッセージ」からぶらさないように、最終的にユーザーに感じてもらう気持ちをイメージすると分かりやすいです。
興味
熱量がまだそこまで高くないユーザーに、興味を持ってもらえるようなコンテンツを考えます。
ユーザーに感じてもらいたい心理は以下のような内容です。
- この会社は他とは違うかも! (競合他社と差別化できる強み・ポイント)
- もっとこの会社のことが知りたい!(会社のビジョン・志など、共感を誘う未来像)
- 素敵な会社かも!(ペルソナに刺さりそうな写真・ビジュアルイメージ・色味など)
このタイミングではフワッとした感情でも十分です。
「企業からのメッセージ」と「デザイン」を用いて情緒的・直感的に訴求を行い、ユーザーの興味をグッと引き付けるようなコンテンツの作成が重要です。
興味を引き付ける事でユーザーの印象に残るコンテンツは、まだ調査段階の「潜在的な人材」へのアプローチに繋がる効果も期待できます。
魅了
興味を持ってくれたユーザーに「この企業で働きたい」と思ってもらえるようなコンテンツを考えます。ユーザーに感じてもらいたい心理は以下のような内容です。
- 会社の魅力が理解できた!(会社を知る)
- この会社で自分が働く姿をイメージ出来た!(仕事を知る)
- 会社の人たちとフィーリングが合うかも!(人を知る)
どのようなコンテンツで会社の魅力を伝えるかのヒントは、上に書いてある通り「会社を知る」「仕事を知る」「人を知る」という3つの視点から考えるとスムーズです。
不安の解消
上述の「興味」「魅了」を通じて企業理解が進んだユーザーに対して、安心してもらう事で応募行動に繋げるコンテンツです。ユーザーに感じてもらいたい心理は以下のような内容です。
- 持っている不安が解消できた!(よくある質問)
- この会社は自分としっかり向き合ってくれそう!(評価制度、社員教育などの情報)
- この会社の環境なら安心して働けそう!(職場環境・福利厚生などの情報)
「それでもまだ気になることがある」といったユーザーの不安を解消し、背中を押してあげるようなコンテンツを用意すると、スムーズな応募行動を促すことができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は「採用」目線での情報設計についてお話ししました。採用サイトの役割からコンテンツの内容を設定することで、効果的な訴求が行えます。その他のウェブサイトでもこの情報設計の方法は当てはまる部分があるので、ウェブサイト制作のヒントになれば幸いです。次回はウェブサイトを作る前に必要な「どのように」(デザインなどの手法)について書いていきたいと思います。
ではまた!