(SPIQA MAGAZINE)
スピカマガジン
【サイトレビュー】メッセージを伝える!訪問看護・介護サービスの企業サイト
こんにちは。WEBディレクターの長嶋です。
WEB制作の現場にいると、「メッセージ」をどのようにユーザーに伝えるかという課題に直面することがあります。ここでいう「メッセージ」とは、「想い」や「伝えたい価値観」のことで、ターゲットによってWEBサイトで伝える内容は様々です。
今回はそんな「メッセージ」に重きをおいたWEBサイトを見つけたので、トレンドデザイン勉強会で共有しました!
今回レビューするサイト
今回レビューするのは、訪問看護を中心とした地域密着の医療・介護サービスを提供している大阪の会社「Philosophia – フィロソフィア」のサイトです。
競合サイト
サイトのポイントを分解する前に、競合として同様に医療・介護・福祉サービスを提供している法人を選定しました。
社会福祉法人 愛和会
▼配色
【ベース】白(ベージュ)【メイン】茶・オレンジ【アクセント】なし
トップページにこちらの法人がおこなっている3つのサービスをスライダーで紹介しています。マウスを乗せると、背景画像が切り替わり、目線を誘導するオレンジのエリアにサービスの概要が表示されます。強みとなるサービスの紹介に力を入れたデザインでユーザーへの訴求をおこなっているWEBサイトです。
箕面市の介護老人保健施設|箕面グリーンビィラ
▼配色
【ベース】白【メイン】青緑【アクセント】なし
ファーストビューで介護サービスの安心できるビジュアルをスライドショーで掲載し、法人が伝えたいメッセージをキャッチコピーとして配置しているスタンダードな構成のサイトです。人の顔や繋がり、思いやりを感じることができる写真にすることで安心して任せられる印象を伝え、キャッチコピーによってそれを補填することで信頼感を演出する内容です。
▼結果
いずれのサイトもシンプルで見やすいレイアウトで、フォント使いや優しい色使い、角の取れたディテール・フォントなどを用いて親しみを感じられるサイトに仕上げています。介護系の企業サイトということで、「人の顔が見えるポジティブなビジュアルイメージ」を用いることで、信頼感や提供するサービスを分かりやすく伝える意図が感じられます。配色が基本的に2色のみで構成され、アクセントをメインカラーの強弱で表現している事が特徴で、これは写真をメインイメージにするためのルールであると同時に、企業のカラーを前面に出すためのデザインだと考えられます。
今回のサイト
次は今回選定したサイトを競合サイトと同じように分解しました。
Philosophia – フィロソフィア
▼配色
【ベース】白・グレー【メイン】オレンジ 【アクセント】なし
いいなと思ったポイント
メッセージとイラストで勝負しているファーストビュー
他の看護・介護系サイトが「写真をメインにしたファーストビュー」であるのに対して、このサイトは「メッセージとイラストで勝負しているファーストビュー」です。同社が真剣に向き合っている命題と 、個性的なロゴに使われているイラストのみで構成されたファーストビューはとても斬新なアプローチだと思いますし、演出が映えるデザインなので強烈に印象に残ります。
ファーストビューとフッターの演出
このWEBサイトでは、ファーストビューでスクロールすると、文字やイラストがバラバラになりながら上がっていき、フッターでそれらのイラストがロゴマークとして集まってくるようになっています。これは、同社の社員が一人ひとり「プロ」として活動し、この会社に集まっている事を示しているように感じました。このように、ファーストビューとフッターが繋がるような演出を取り入れて印象づけをおこなっているのも、トレンド感があって良いと感じました。配色のシンプルさを活かし、「演出での企業イメージの情緒的な訴求」をおこなっている点が特徴です。
なぜこのデザイン?どういう効果が期待できる?
「サイト全体の構成からこのサイトの主目的が「採用強化のための企業ブランディング」であると考えられるため、企業のメッセージを演出によって目立たせることで、ユーザーに「よりポジティブな印象を与える」点に重きを置いているのだと考えられます。
このようなデザインによって求職者へのアピール、応募を促す効果が期待できます。社員インタビューによって「訪問看護・介護スタッフの特性が見える」ことで、エリア周辺の訪問看護・介護サービスを探している人へのポジティブな訴求もおこなうことができます。デザイン面では、ロゴカラーを用いた企業の印象付け・訴求に加えて、ロゴに使われているイラストを用いた演出によって「企業ロゴを憶えてもらう」ことができるのではないかと感じました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
訪問医療・介護サービスは信頼感や安心感を伝えるために「写真」を用いるケースが多いですが、今回取り上げたWEBサイトはより企業の「メッセージ」が伝わるデザインだったかと思います。
もちろん、伝えたい相手が「お客様」なのか「求職者」なのかによって、有効なデザインやコンテンツは大きく変わります。今回のサイトではその差がとても分かりやすかったのではないでしょうか?
いずれにせよ、どのWEBサイトもユーザーに安心感や信頼感を持ってもらえる素敵なデザインだと感じました。
今後もトレンドデザイン勉強会での共有内容をこのスピカマガジンに掲載していく予定なので、どうぞお楽しみに!
ではまた!