【CMS徹底比較】CMSを始めるならこれがおすすめ!
SPIQA DESIGN
2023.06.28
webサイトの制作を考えているという方は、「CMS」という単語を目にする機会が多いと思います。
CMSは、webサイトの構築やコンテンツ管理には必要不可欠と言っても過言ではありません。CMSは、ウェブページの作成、編集、公開などを容易にするためのツールであり、さまざまな種類があります。
この記事では、日本国内で人気のあるCMSを徹底比較し、それぞれの特徴や利点、デメリットについて解説します。
目次
そもそもCMSとは?
CMSとは「コンテンツ・マネジメント・システム(Contents Management System)」の略称で、HTMLなどのWebサイトの専門知識がない人でも新規ページの制作や更新・運営ができるツールのことを指します。
つまりCMSで一度サイトを作ってしまえば、サイトの運営するためにわざわざ専門の業者に依頼する必要がなく、費用面でも抑えられるのがCMS導入のメリットといえます。
CMSの種類
具体的なサービスをご紹介する前に、CMSには「クラウド型」「パッケージ型」「オープンソース型」という3種類があります。自社の状況や、作成する目的、選びたいデザインなどによって適切なものを選ぶ必要があります。
この3種類に分けてそれぞれ具体例をご紹介していきます。
クラウド型
クラウド型CMSはサーバー一体型で、Webサイト作成や運用をインターネット上で完結できる形態のCMSです。
メリットとしては、サーバー環境の準備が必要なく、Webサイトのテンプレートが最初からできているため、専門知識がなくとも高いクオリティのWebサイトが作れます。
そのため、機能やデザインのカスタマイズの自由度は下がりますが、提供されているツールも多いため、目的に合わせたサイト作成が可能です。
また、機能面やセキュリティ面での更新・メンテナンスが不要です。自動で更新されるため、常に最新の状態を保つことができます。
ShareWith
野村インベスター・リレーションズ株式会社が提供する、クラウドCMS「ShareWith」、こちらはコーポレートサイトに特化したクラウドサービスとして、必要な機能やサービスをワンパッケージで提供しています。「シンプル」 「スピード」「ノーコード」をテーマに、専門知識がない方でも直感的に管理できる操作性と堅牢なセキュリティを兼ね備え、大企業を中心に広く利用されているサービスです。
https://www.share-with.info/jp/index.html
はてなブログ Media
はてなブログMediaは、オウンドメディアの構築、運営に特化したクラウド型CMSです。
はてなブログで培ったノウハウを元とした、記事作成に特化した操作性が特徴です。さらに、はてなの編集者によるコンテンツ作りへのサポートもあり、オウンドメディアを初めて立ち上げる企業におすすめのCMSとなっています。
https://www.hatena.ne.jp/contentmarketing/hatena-blogmedia
パッケージ型
パッケージ型CMSは、自社内にサーバーやソフトウェアを設置して運用する形態のCMSです。
自社サーバーを使えるため、セキュリティー体制の強化やトラブルが起きた際の対応を自分たちで行えます。
クラウド型よりコストはかかりますが、個別で機能やデザインのカスタマイズができるため、自社が作りたいWebサイトを細部まで表現することが可能です。
時間とコストをかけてでも細部にこだわりたい方はこちらの方法がおすすめです。
Movable Type
Movable Typeは、アメリカ企業の「シックス・アパート株式会社(Six Apart, Ltd.)」が開発し、提供するCMSです。ブログ形式で手軽にサイト製作や管理ができる機能が取り揃えられています。小規模な個人サイトから、企業が運営する大規模なコーポレートサイトに至るまで、幅広いサイトに役立つCMSです。
オフィシャルサポートが充実しているのも特徴の一つです。
https://www.sixapart.jp/movabletype/
NOREN
「NOREN」は、多種多様な機能を備えた高性能CMSツールで、パッケージ型CMSとしては、国内でトップクラスの導入実績を持ちます。
全体的に使いやすい構成になっていて、利用時のハードルが低いのが特徴となっています。
また、国産のCMSのため、サポートなどが日本語で受けられることもメリットです。
CMSツールで本格的なWebサイト構築・運用を行いたい場合や、自社コンテンツの運用を効率化したい場合などに利用がおすすめです。
オープンソース型
オープンソース型は、インターネット上に公開されているソースコードを利用して、自分でWebサイトを構築して運用する形態のCMSです。無償で使用できるものが多く、コストを抑えられるのが特徴です。
プログラミングで、機能を拡張したり、細部までこだわったデザインのサイトを作成することができますが、プログラミングなどの専門知識がなければ運営が難しいツールといえます。
このオープンソース型CMSで忘れてはならないのが、セキュリティー対策です。ユーザー数が多く無料のオープンソースのサービスは、その分セキュリティにも気を配らなくてはなりません。
WordPress
WordPressは世界シェア1位のオープンソース型CMSです。国内のCMSでは全体の8割のシェアを誇ります。
圧倒的シェア率を誇る利用者の多さから、テンプレートとプラグインが豊富にあるのが特徴です。制作したいサイトの種類に合わせて機能を拡張することでコーポレートサイトやECサイトなど、自社に合ったオリジナリティのあるWebサイトを構築できます。
WordPressに関しての詳細は別記事でも紹介しておりますのでご参照ください。
【徹底解説】WordPressとは?特徴や他のCMSとの違いについて
Wix
Wixは世界190か国で2億人以上の人々が使っているホームページ制作サービスです。
もともとはイスラエルで開発されたツールですが、2019年には日本法人が設立。日本語のヘルプセンターや電話サポートもあり、操作の疑問点なども確認しながらホームページを作成することができます。
5つの簡単ステップで無料から始めることができ、幅広い業種に対応した数百種類のテンプレートを搭載しているほか、初心者向けのSEO ツールから上級者向けの詳細設定までSEO対策機能も充実しています。
ヘッドレスCMSについて
ここまで「クラウド型」「パッケージ型」「オープンソース型」の種類に分けて紹介してきましたが、「ヘッドレスCMS」という次世代のCMSも新しい潮流として近年増えてきています。
ヘッドレスCMSとは?
ヘッドレスCMSとは、WEBサイトを表示するための機能を持たない、コンテンツを管理することに特化したCMSです。
一般的なCMSは、コンテンツを表示する機能(フロントエンド)と、コンテンツを入稿するためのシステム(バックエンド)が組み合わさっています。このフロントエンドの部分を「ヘッド」と表現するため、「ヘッド(フロントエンド)がないCMS = ヘッドレスCMS」と呼ばれます。
つまりヘッドレスCMSには「コンテンツを表示する機能」の部分が存在しません。
表示機能を持たないので、ユーザー側からの見た目を生成する部分については、別の方法で構築する必要があります。
ヘッドレスCMSのメリット
では、フロントエンドとバックエンドを別々に構築することでどのようなメリットがあるのでしょうか。ヘッドレスCMSを利用する主なメリットには下記のようなものが挙げられます。
表示速度が速い
ヘッドレスCMSを使って構築されたWEBサイトは、Wordpressなど従来型のCMSで作られたものよりも、表示速度が速いという特長があります。
従来型のCMSでは、WEBページを表示する際、バックエンドで管理されているコンテンツを元に、フロントエンドで閲覧用のファイルを生成するために動的ファイルを生成する工程が必要です。
その点ヘッドレスCMSでは、コンテンツは静的ファイルをそのまま表示すれば良い状態となっているので、素早く表示できるという仕組みです。
開発の自由度が高い
ヘッドレスCMSでは、フロントエンド部分を改修したりアップデートをしても、バックエンドには影響がありません。そのため、フロントエンドの改修を独自のタイミングで自由に行うことができます。
また、ホームページの作成後に編集や機能の追加が可能だったり、変更したいところだけコンテンツ管理機能を適用することができるため、頻繁にページの変更が必要なWebサイトの構築・運用には非常に適しているといえます。
コスパがいい
ヘッドレスCMSには、サーバにかかるコストを抑えられるメリットがあります。
一般的なCMSのように、閲覧用のファイルを生成しない分、サーバの処理を削減できるためWebサーバに求めるスペックも低く、コストを抑えることができます。
また、フロントエンドとバックエンドを分離でき、自社のWEBサービスに最適なものを別々に選択することができます。そのためシステム構築を通常より短期間で行うことができ、人的コストの削減効果も見込めます。
フロントエンドの改修を行いやすい
一般的なCMSでは、フロントエンドを改修する際に、バックエンドへ影響が出ないかを注力する必要があります。さらに、フレームワークや開発環境などの変更は、フロントエンドとバックエンドを同時に行う必要がありました。
しかしヘッドレスCMSでは、バックエンドとフロントエンドを独立させてメンテナンスや開発を行えるため、運用側にとっては大きなメリットであるといえます。
セキュリティ面で安心
ヘッドレスCMSは、一般のCMSに比べてセキュリティ面が頑強であることもメリットとして挙げられます。ビューを生成する際に、動的なファイルを使用しないことがその理由です。
Webサイトがサイバー攻撃を受ける際、一般的に動的ファイルがターゲットとされることが多いです。一般的なCMSは、Webサイトがサーバーとデータのやりとりをする際、動的にファイルを構成して表示するケースが多く、それが攻撃のターゲットとなる箇所が増えてしまいます。
一方のヘッドレスCMSは、フロントエンドには静的ファイルのみが置かれるため、脆弱な箇所を大きく減らせるという大きな利点があるのです。
マルチデバイスに対応可能
コンテンツ管理に特化しているヘッドレスCMSは、ビュー部分が切り離されているため、複数のデバイスごとに独自のフロントエンドの構築をすることができます。
WEBサイト、iOSアプリ、Androidアプリなど、ユーザーの環境に合わせたフロントエンドの提供が可能です。フロントエンドは、APIを利用してヘッドレスCMSからデータを受信することでビューを形成できるのです。
一般的なCMSも、レスポンシブ対応は可能ですが、デバイス毎の画面サイズによってデザインを変更する程度の機能のため限界があります。
ヘッドレスCMSでは、ユーザーそれぞれの環境において最適なサービスを実現できるのです。
ヘッドレスCMSのデメリット
ここまでヘッドレスCMSのメリットを挙げてきましたが、多数のメリットがある一方で、当然デメリットもあります。基本的にヘッドレスCMSのデメリットは、必要な技術力の難易度が比較的高いことに起因します。
開発エンジニアが必要
ヘッドレスCMSにはフロントエンドが備えられていません。プレビューを確認する機能もありませんので、別途開発が必要です。その他、専門のエンジニアでなければ難しい部分が多いのが特徴です。
実際にWEBサイトの運用が開始されたら、マーケティング担当やWEB担当などがコンテンツを制作したり、公開・更新作業をすることになると思います。しかし、ヘッドレスCMSを導入するとなると専門のエンジニアが必要になるため、人的コストがかかってしまうことがデメリットといえます。
幅広い技術知見が必要
ヘッドレスCMSは従来型のCMSのようにはパッケージ化されてないため、運用するにはバックエンドを構築するための知識に加えて、フロントエンドの開発にも多くの技術的な知見が必要です。
バックエンドで重要になるAPI、フロントエンドで使われるフレームワーク、両方の知識を持っている人材は現在のところ多くありません。そのため、人的資源の確保が難しい分野となっています。
機能によっては外部ツールを導入する必要がある
ヘッドレスCMSを使用し、動的な機能を構築するケースでは外部ツールの導入が必要です。
例えば、WEBページ内に入力フォームを置きたい場合や、ユーザーが情報を取り出せるデータベースを使い場合などがそれにあたります。
ヘッドレスCMSを使用してWebサイトを開発するには、必要な機能やUIを洗い出し、フロントエンドや外部ツールも含めた確実な計画が重要です。
代表的なヘッドレスCMS
既に数多くのヘッドレスCMSのサービスがリリースされていますが、代表的なものをいくつか紹介していきます。
Netlify CMS
Netlify CMSは、静的サイトジェネレーター(HTML Webサイトを生成するツール)向けのオープンソース型CMSです。Netlify(静的Webサイトを自動で作成できるサービス)に、ヘッドレスCMS機能の追加が可能です。
Netlify CMSで投稿を作成することで、サイトが自動更新されます。手順に従って作業することで、短時間でサイトを公開できます。
比較的直感的に操作できるため、プログラミング知識がない人にもおすすめです。
Ghost
Ghostはブログ形式のWEBサイト構築に特化したヘッドレスCMSです。シンプルに構成されているので非常に動作が快適で、存在しないかのように使えることから、ゴーストと名付けられているそうです。
その反面、複雑なことはできませんので、オウンドメディアのようなブログ形式でコンテンツを配信するWEBサイトを構築する方にはおすすめです。
Strapi
Strapiは、無料で利用が可能なオープンソースのヘッドレスCMSです。Node.jsがインストールされているパソコンであれば、ローカルの環境でもシステム構築が可能です。
機能面はシンプルに絞り込まれています。とはいえ、多様なコンテンツの取扱が可能で、APIを生成できますので、オウンドメディアやブログ形式のWEBサイトを運営するには十分な機能を持っています。また、シンプルな分だけ軽量で動作するのもメリットです。
自社にサーバーを設置できる人やローカル環境でプラグインを自作したい人にはおすすめです。
microCMS
microCMSは、国産のヘッドレスCMSの代表格です。4,000社以上の企業の導入実績があり、有名な大手企業も多数導入しています。
わかりやすい管理画面で直感的に操作できる点が大きな特徴です。データ取得時に活用するAPIは、開発者向けに最適化されているため、開発や運用コストの削減につながります。
日本語サポートがあるのも魅力です。
Contentful
Contentfulはドイツのcontentful社が開発しているヘッドレスCMSで、ヘッドレスCMSの分野では最古参と言えるため、世界的に有名な企業をはじめ、非常に多くの導入実績があります。
自動で画像をリサイズできる機能や、markdown記法が使用できるなど機能が充実しています。モバイルやパソコン以外のプラットフォームにも、コンテンツの配信が可能なAPIを使用しています。
日本語サポートがないため、英語が堪能な方におすすめです。
まとめ
いろいろ紹介してきましたが、シェアの多さでいうとWordPress一強と言っても過言ではないほど世界中で利用されています。
ヘッドレスCMSに関しては少し専門的でハードルが高く感じるかもしれませんが、圧倒的な開発自由度の高さや、多種多様なデバイスへの対応など様々なメリットがあるため、選択肢の一つとして検討してみるのもいいかもしれません。
とはいえ、CMSを選ぶ際は、利用する目的や会社の状況などを考慮して最適なサービスを選択することが一番大切ですので、自社の目的に合ったCMSサービスを探してみましょう。