(SPIQA MAGAZINE)
スピカマガジン
〈1日1動画〉ACCに入賞したCM動画をレビュー!#01
どうも、スピカデザインの浅井です。
最近動画を編集していてぶち当たった問題があります。
それは、、、己の動画演出のレパートリーが少ない!!; ;
どうしようかと打ち合わせをしている際にこんな意見が
「何か大きい賞を受賞したCMの演出をレビューしてみれば知識が付いてくるのでは?」
かくして始まりました、浅井のACCアワードを受賞したCM動画のレビュー。
ひとまず12月の間だけの取り組みですが、皆さまどうぞ、最後までお付き合いいただければと思います!!
※今回はまず2日分のレビューをご紹介します!
動画を引用するサイト「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」
今回の取り組みで僕がレビューさせていただくCMはこちらから引用します!
http://www.acc-awards.com/festival/2022fes_result/filma.html
審査委員長をされた細川 美和子さんによるとアワードの選考基準は
「広告の歴史として残したい、と思うものが厳選されました」ということです!
詳しくは上記のリンクにある <細川審査委員長 審査講評> の項目をご覧ください。
このACC フィルム部門にて入賞されたCMを恐れ多くも僕がレビューさせていただきます!
めちゃめちゃ見応えのある良いCMばかりなので、ぜひ目を通してみてください!
『東海旅客鉄道(JR東海)「会うって、特別だったんだ。」』
ACC ブロンズ賞 受賞
http://www.acc-awards.com/festival/2022fes_result/detail.html?awards=ie&entryId=FA220588
動画の構成
1. 新大阪から東京へ帰る新幹線に乗車するところから始まり、時刻表で時間帯が分かる演出。
2. マスクを外す女性社員(深津絵里)のカット。
3. 回想シーンへ入り、出張先で会議を始める社員たち。
CMなのに出演者が皆、マスクをしている。
4. 会議が終わり、新幹線に乗った女性社員たちが帰路につくシーン。
5. マスクを外して手を振る大阪の社員。(少し照れている、恥ずかしそう)
6. 東京の社員さんもそれに便乗してマスクを外す。
7. お互いにマスクを外したところでタイトルの「会うって、特別だったんだ。」が優しくふんわりと出てくる。
8. 手を振る東京の社員。(こっちも少し照れている、恥ずかしそう)
9. 新幹線の席でコーヒーを飲みながら一息つく女性社員。
10. ナレーションとともに発進する新幹線車両。
11. ロゴの表示とそれに合わせた社名ナレーション。
時間は現在→過去→現在という順番で進行されている。
動画のポイント・考察
- 新幹線のホームから始まり、JRのCMだということが一目で予測できる。
- 演者にマスクをさせ、コーヒーを飲む際に外すシーンを見せることで、コロナ禍を意識した動画だとみている人に予感させる作り。
- 新幹線、会議室のシーンで東京から大阪へ出張しているということが、映像だけで分かる演出。
- コロナ禍ですっかり当たり前になってしまったマスクだが、社員たちが別れ際にマスクを外して手を振り、顔をしっかり見せて別れの挨拶をすることで、タイトルの「会うって、特別だったんだ。」というフレーズを、見ている人へ共感させる内容。
- 少し青みがかったフィルターと挿入歌で優しい雰囲気ということが十分に伝わる演出内容もほっこりとする優しい内容。
- 優しい演出を壊さない、テキストフォントとその挿入アニメーション 。
↑ シンプルな不透明度0%→100%で、キーフレーム配置の秒数は見た感じ1~1.5秒ほど - ロゴの表示タイミングがカットの切り替わりと同時なので、すぐにどこの会社か分かる。
- キャッチコピーとCMの演出で離れたところにいる知人や家族に会いたくなる気持ちになる。
この動画が入賞できた理由を考察
- ほっこりとする分かりやすいストーリー展開とそれに合わせた優しいBGMの歌。
- 動画の雰囲気を壊さないテキストアニメーション。
- 言葉による説明がなくとも伝わる内容作り。
↑ マスクでコロナ禍を意識したストーリーだと伝える演出など
『UHA味覚糖 グミサプリ 鉄「ええ声店長/クレーム」篇』
ACC シルバー賞 受賞
http://www.acc-awards.com/festival/2022fes_result/detail.html?awards=ie&entryId=FA221644
動画の構成
1. 鬼気迫る表情でグミを持ちながら寄ってくる女性。
男性の声で歌が聴こえてくる。
歌詞「鉄の」
2. カットが切り替わり、女性客にじりじりと迫られ、後退る男性店員。
歌詞「サプリを おいしく なんて するから」
3. 最初のカットのカメラアングルに戻り、怒っているような表情で接近する女性客 。
わなわなと震えながらクレームを言う。
女性客 「もっと食べたいのに…ケチ!!」
4. < 2. >のアングルに戻り、再度歌い始める男性店員。
歌詞「ややこしい クレーム きたやんけ」←とっても感情が乗った歌い方
5. 「ややこしい」の歌いはじめと一緒に字幕が入る。
字幕「1日2粒が目安です」
6. 「きたやんけ」の辺りからカメラ目線になる男性店員。
7. 商品のキャッチコピー、商品のパッケージ写真(5種)、商品名、
UHA味覚糖のロゴが表示される。
8. 男性店員の歌い終わりのビブラートに被せて商品名のナレーションが入り、CMが終わる。
動画のポイント・考察
- 最初に商品を持った女性客を見せることで、宣伝する商品が何かを見ている人に瞬時に伝わるようにしている。
- 怒った表情の客と後退る店員というシチュエーションで、2人の関係性が「店員とクレーマー」だということが、見た瞬間に理解できる。
- 店員に迫る怒った表情の客という緊張感を覚えるようなシチュエーションだが、男性店員の歌でその緊張感を感じず、むしろ歌詞と展開の続きが気になる。
- 客に迫られているシチュエーションで歌っている男性店員にユーモアさを感じられる。
- 歌詞が単純で、オペラ調にはっきりと歌っているので、聴いていてすぐに内容を理解できる 。
- サプリ商品ゆえの「1日2粒が目安です」という内容を、字幕と女性客のセリフで印象に残るように伝えている。
- テキストの挿入アニメーションはシンプルな不透明度0%→100%のエフェクト。
- エフェクトの速度は動画の雰囲気や歌のスピードとマッチしている。
- サプリなのにおいしいゆえにいっぱい食べれなくてクレームをする客と、そのクレーム内容に困惑する店員という、とても分かりやすいストーリー性。
- オチを歌でユーモアにしめており、15秒内ですっきりと完結できている良いCM。
- 商品情報は最後の2秒間にパッと表示させて終わっている 。
↑ CM内容が面白いので、これでも十分に見た人の印象に残る
この動画が入賞できた理由を考察
- 15秒という短い時間の中で、美味しいグミなのにサプリなので1日に食べられる量が制限されていることを、クレーマーと店員でうまく表現されている。
- 商品のことを全く知らない人が見てもすぐにその商品の情報が伝わる、分かりやすい内容構成。
- クレーマーと店員という緊張感がある立場の関係だが、店員がオペラ調に歌うことでキャッチーなCMになっている。
- 再度このCMを見るとつい歌い出してしまうそうになるくらい口ずさみやすい歌。
まとめ
以上2本のCM動画でした!いかがだったでしょうか?
どちらのCMも初見で伝えたい内容がしっかり伝わってきて完成度の高さを感じます!
さすがACCアワード入賞作品、、、
僕はこういった本格的なCM動画を作っているわけではないのですが、それでも学べる部分はとても多いです!
このような感じで1日1本動画をレビューし、それをまとめた記事を2日ごとに投稿していく予定です!
それでは次の記事でまた会いましょう!