(SPIQA MAGAZINE)
スピカマガジン
〈1日1動画〉ACCに入賞したCM動画をレビュー!#02
どうも、スピカデザインの浅井です。
浅井のACCアワードを受賞したCM動画のレビュー。
早速ですが第2回です。
なお、前回あった「動画の構成」という項目を今回からは無くします!
文字起こしする時間が割と馬鹿にならないので…
「なんのこっちゃ」となった方は前回の記事をご覧ください!
動画を引用するサイト「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」
今回の取り組みで僕がレビューさせていただくCMはこちらから引用します!
http://www.acc-awards.com/festival/2022fes_result/filma.html
審査委員長をされた細川 美和子さんによるとアワードの選考基準は
「広告の歴史として残したい、と思うものが厳選されました」ということです!
詳しくは上記のリンクにある <細川審査委員長 審査講評> の項目をご覧ください。
このACC フィルム部門にて入賞されたCMを恐れ多くも僕がレビューさせていただきます!
めちゃめちゃ見応えのある良いCMばかりなので、ぜひ目を通してみてください!
『赤城乳業 「ソフ」 偉人篇/映画篇』
ACC ファイナリスト
https://www.acc-awards.com/festival/2022fes_result/detail.html?awards=ie&entryId=FA221652
動画のポイント・考察
偉人篇
- ノスタルジックなBGMで淡い雰囲気を感じるCM。
- BGMに合わせて、字幕がふんわりと不透明度0%→100%で表示される。
- 生クリームと発酵バターを「恋」に例え、追想にふける老年男性。
若いころに色々あったんでしょうかね… - 3行目の字幕で「ふたつ合わせれば商売になるで。」と急に関西弁でボケ始める。
おじさん急にどうしちゃったの… - 男性の見た目やイントネーションからフランス語をしゃべっていると感じますが、これ良く聴くと「フランス語風にしゃべっている日本語」なんですよね…おじさんふざけすぎでは?
- 「Mr.Dareyanen」と、果たしてその字幕を出す必要はあるのか?と感じさせるほどふざけた字幕。確かにこのおじさん、誰やねん。
- ただ、カット間のトランジションはBGMの雰囲気に合わせてふんわりとしたフェードイン/フェードアウトを使用して、シュールなことをやりつつも雰囲気を壊さないようにしています。
- 商品情報が2秒ほど表示されるが、2秒で見切れる量ではない。ただナレーションでキャッチコピーを読んでいるので、商品名と見た目はしっかりと印象に残るようになっていますね。
- 表示は小さいが、上に「NEW」とあるのですぐに認識できる新商品。
- 最後にすっごいカメラ目線で宣伝商品を食べる男性。偉人なので、笑顔ではなく威厳を見せるように食べてます。偉人なので。
映画篇
- 洋画風のBGM+環境音でこの動画の世界観へ入り込みやすくなる。
- 雨の夜、部屋で手紙を読む女性はなんだか哀愁が漂っている。
↑ このように見せるために、映像は茶色がかっており、部屋の照明も淡い色。 - 字幕の内容とナレーションの声は偉人篇と一緒だが、映像が女性メインなので、偉人篇とは違う展開が来ることが直感で分かります。
- 手紙の内容=字幕とナレーションの内容 だと思わせるような演出。
- 哀愁を感じる表情だったが、「またそんなことゆうて」と言ったあとは、心なしか呆れた表情に見えてきますね…
この動画が入賞できた理由を考察
- 映像・BGMの「ノスタルジック」な雰囲気と、字幕・ナレーションの「ユーモア溢れる表現」によって、コントラスト演出のクオリティーが高い。
- フランス語風にしゃべっている日本語という、振り切った発想力。
- フィックスの画で雰囲気に合った落ち着きのある映像。
『大塚製薬 カロリーメイト「小さな栄養士・先輩の背中」』
ACC ファイナリスト
https://www.acc-awards.com/festival/2022fes_result/detail.html?awards=ie&entryId=FA220852
動画のポイント・考察
- カロリーメイトを人に見立てた日本人十八番の擬人化表現。
- カロリーメイトに動きやナレーションを入れることで擬人化を違和感なく表現。
- 一番最初のカットを「いま目が合いましたね」というセリフにすることで、カロリーメイトの穴が目だとすぐに認識でき、擬人化の導入がとても分かりやすい!
- バニラ味のナレーターは内田雄馬(代表作:呪術廻戦 伏黒 恵 役)→声がすごくいい。
- チョコ味のナレーターは中村悠一(代表作:呪術廻戦 五条 悟 役)→声がとてもいい。
- チョコ味が「先輩の背中は栄養だよ!」と言うシーンで、カメラ目線になる際に少しズームアップされていて、細かいカメラワークで見応えUP。
→上記のセリフの後、本当に栄養の情報が表示される展開にユーモアがあってクスッと笑える。
比喩だと思ったら直喩だったときって、妙な面白さがありますよね笑 - 突如リアル人間による先輩・新人関係のシーンに変わるが、テーマがはっきりと伝わる内容なので、見ている人を置いてけぼり…なんてことにはならない構成の上手さ。
- 秒数に対してカット数が多めだが、基本フィックスの画なので慌ただしさを感じない。
- 誰がしゃべっているのかがとても分かりやすいカメラアングルとカット配分。
- 被写体との距離感もカットごとに差があり、距離感が近いカットは言葉が印象に残りやすくなる工夫がされているのではないでしょうか。「先輩の背中は栄養だよ!」とか。
この動画が入賞できた理由を考察
- お手本のような擬人化表現。違和感が本当に全然ない、素晴らしいクオリティー!
- 擬人化されたカロリーメイトとリアルの人間による対比。
- 「先輩の背中」をテーマに進む分かりやすい分かりやすいストーリー展開。
まとめ
以上2本のCM動画でした!いかがだったでしょうか?
2本ともユーモア溢れる面白い動画でしたね笑
映像で面白さを演出するときって、役者さんやナレーターの演技などに目が行きがちですが、こうして分析してみるとカメラワークやカット割り、BGMやサウンドエフェクトなど、全ての要素が相まって面白さが引き出されていると、改めて実感しました。
なんかいい感じに締めることができたのでこの辺で。
次回の投稿でまた会いましょう。(フランス語風にしゃべっている日本語)
Mr.Asaiyanen