2030年の目標を、検証できる形で書いた話

シリーズ5本目。今回はビジョンの話をします。
採用資料に「2030 VISION」として3つ掲げています。
① クリエイティブ業界でクリニック領域のシェア日本一(取引数:300院)
② 美容クリニック業界最大手とのお取引の実現
③ 社員50名規模で多様なクリエイターが所属する最強クリエイティブチーム
3つとも、2030年になったときに達成できたかどうかを判定できる形にしてあります。
そこが今回書きたいところです。
もくじ
なぜ数字で書いたのか
ビジョンって、たいてい抽象的に書かれるんですよね。
「業界をリードする存在に」とか「唯一無二のクリエイティブ集団へ」とか。
書きやすいですし、外れません。外れないから、達成したかどうかも分からない。
300院、業界最大手との取引、社員50名。
これは全部、達成したかどうかがはっきり分かる形になっています。
2030年になったとき、できていなければできていないと言うしかない。
そういう書き方をしたのは、
採用する側とされる側で、同じ地図を見たかったからです。
入社を検討している人からすると、
その会社がどこに向かっているのか分からないまま判断するのはきついと思います。
「成長中です」「これから伸びます」は、実質的な情報量がほとんどないので。
300院と書いてあれば、いまが何院で、あと何年で何院増やす会社なのかが分かります。
いまは約100院です。つまり、4年で3倍にするという話をしています。
判断材料になる。
①について ── 特化を最後までやる、という宣言
シェア日本一という言葉より、クリニック領域と限定していることのほうが
本質だと思っています。
第3回で書いたとおり、業界特化は周回速度の話です。
同じ業界の仕事を繰り返すことで知見が溜まり、次の提案が速く深くなります。
これは裏を返すと、手を広げると効かなくなるということでもあります。
売上を伸ばそうと思えば、業界を広げるのが一番早いので。
でもそれをやると、いま積み上げている専門性が薄まります。
300院という数字は、
「広げずに深めるほうを選び続ける」という宣言に近いです。
数字そのものより、その後ろにある「よそ見をしない」という約束のほうが重い。
②について ── 最大手と組めるかどうかが試金石
②に具体的な1社を想定しているのは、
その会社と取引したいというより、そこと組める水準になっているかを
測る指標として置いているからです。
業界最大手というのは、当然ながら選択肢が多いです。
その中で選ばれるには、価格でも人脈でもなく、
出せるものの質と体制で勝つしかありません。
つまり②は、①と③を達成した結果として起きることでもあります。
順番としては、深めて(①)、体制を作って(③)、その結果として声がかかる(②)。
②だけを狙って営業をかける、という種類の目標ではないです。
③について ── 「50名」は多いのか少ないのか
社員50名規模、と書きました。
いまは10名台です。①の300院と同じで、ここも3倍以上。
2030 VISIONは、どれも「いまの3倍」という設計になっています。
制作会社としては大きくもなく、小さくもない。
ただ、うちの場合はこの数字に条件がついています。
「多様なクリエイターが所属する」という部分です。
第2回・第3回で書いたとおり、
うちは量産を外部とAIに出して、判断の部分を社内に残しています。
この方針で人を増やすと、増えるのは手の数ではなく判断できる人の数になります。
50人が全員手を動かす会社と、50人が全員判断できる会社では、
同じ50人でも扱える仕事の量がまったく違うので。
なので③は、単なる人数目標ではありません。
50人ぶんの判断が回る組織を作る、という設計目標として書いています。
そしてこれは、採用の話にまっすぐつながります。
判断できる人を増やすには、判断できる人を採るか、判断できるように育てるかしかない。
採用方針に「人間性>スキル」「10年共に働く」と書いているのは、
後者に重心を置いているからです。
判断の質は、その会社の文脈をどれだけ知っているかに大きく依存します。
そして文脈は、時間でしか溜まりません。
ここまでで5本
採用資料の裏側を、5回ぶん書いてきました。
- 理念の言葉をどう選んだか
- 「全員ディレクター思考」が何を意味しているか
- なぜ制作を社内に持ち続けるのか
- 4職種がそれぞれ何に責任を持つのか
- 2030年に何を達成するつもりか
資料には結論しか載っていません。
ここに書いているのは、その結論の後ろにある考え方のほうです。
読んでみて「この会社の考え方は分かる」と思った方がいたら、
一度話をさせてください。
面接というより、まずはここに書いたことの続きを話す時間として。
→ 採用情報



