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美容サロンのインハウスチームが、デザイン会社になるまで

採用資料のスライド「沿革・グループ会社」

シリーズ6本目。今回は会社のなりたちの話です。

採用資料の中で、たぶん一番読み飛ばされるページだと思っています。
沿革って、そういう扱いになりがちなので。

でも、うちの場合はここが一番説明の役に立ちます。
「なぜ美容業界のことが分かるのか」という質問への答えが、ほぼ全部ここにあるので。

もともと、デザイン会社ではありませんでした

資料にはこう書いてあります。

元々は美容サロンのインハウスデザインのチームとして、事業の拡大に貢献してきました。
そこで得たノウハウから、徐々にデザイン業務を承るようになり、現在に至ります。
サービス自体は2015年より展開を始め、事業拡大に合わせて2020年9月に分社化いたしました。

順番が逆なんですよね。

デザイン会社を作って、そのあとお客さまを探しにいった、のではありません。
先に美容サロンの事業があって、その中にデザインをする人たちがいて、
その人たちが独立して会社になった、という順番です。

グループでは、いまもネイル・まつげエクステのサロンを
2ブランド・21店舗運営しています。
Angelica Michelle と VENUS BELT の2つです。

つまり社内に、いまも現役で美容サロンを回している事業がある。
これは競合他社にはない前提だと思っています。

「業界を理解している」の中身

資料には事業の特徴として「業界特化の専門性」と書いてあります。

美容クリニックに特化したクリエイティブ提案を行います。
業界を理解しているからこその情報力とアイデアで、専門性を持ったサービス展開をしております。

「業界を理解している」って、便利な言葉です。
だいたいどの制作会社も言います。何社か担当すれば言えてしまうので。

うちの場合、その中身は自分たちがお客さま側だったということです。

サロンの集客がうまくいかないときに何が起きるか。
店舗が増えたときに何が破綻するか。
広告を打っても予約が埋まらないときに、現場が何を言うか。

これは提案する側にいるだけでは、たぶん一生分かりません。
自分たちの売上が落ちて、自分たちで手を打った経験が先にあります。

第3回で「業界特化は周回速度の話です」と書きました。
うちの場合、その周回の1周目が受託ではなく自社事業だった、ということになります。

だから、デザインの評価が「きれい」で終わらない

インハウスから始まった影響は、いまの仕事の判断基準にそのまま残っています。

インハウスのデザイナーには、逃げ場がありません。
作ったものが良かったかどうかは、次の月の数字で分かってしまうので。
「きれいにできました」で終われない環境です。

第2回で「いいものというのはお客さまに喜ばれるもの」という定義の話を書きましたが、
あれはこの環境から出てきた基準だと思っています。
きれいかどうかではなく、相手にとって効いたかどうか。

受託になったいまでも、その見方は変えていません。

2020年9月に分社化しました

会社としての設立は2020年9月1日です。代表は岸本雄太。
サービス自体は2015年から始めているので、会社になる前に5年動いていたことになります。

グループは、株式会社ファンネクストグループがホールディングスとして
各事業会社の経営方針と戦略の策定を担っています。
その下に、サロンを運営するネクストリンク、VBエンターテインメント、
そしてクリエイティブを担うスピカデザインがある、という形です。

資料の事例ページに Angelica Michelle が載っていますが、
あれはグループ会社の案件です。
ブランドサイト、採用サイト、ブランドブック、リクルートブック、撮影まで、
一通りうちで作っています。

身内の仕事なので楽かというと、そんなことはないです。
むしろ言い訳が効かない分、厳しいと思います。

採用の話に引きつけると

この沿革は、入社を検討している人にとって
2つの意味で情報になると思っています。

ひとつは、専門性の根拠がはっきりしていること。
「美容に強い」の裏付けが、担当社数ではなく自社事業にあります。

もうひとつは、この会社が事業側の視点を求めている理由が分かること。

うちが人を見るときに気にしているのは、
美容やファッションに関心があるか、物事を考察してそれを人に語れるか、
数字による分析ができるか、といったあたりです。
デザイン会社の採用基準としては、少し変わった並びに見えるかもしれません。

でも、もとがインハウスだと考えると自然だと思います。
デザインができる人ではなく、事業が分かってデザインもできる人を探している。
そういう会社です。


次回は事業内容の話をします
うちが何を成果と呼んでいるのか——資料に書いた「あ、会社変わったな」という言葉について。
シリーズはそれで最終回です。

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